「2025大阪・関西万博」の開催まで、あと1年切りパビリオン等の建設も進捗はよくない状況。世間では、中止や延期などの計画変更の声は引き続き出ている状況でです。
大阪万博は予定通りに開催すべきなのか、そもそも万博とな何なのかを考えてみましょう。
「2025大阪・関西万博」開催への懸念
「2025大阪・関西万博」の開催に対する批判は、当初よりでており、今年1月に発生した「令和6年 能登半島地震」への影響もあり 更に批判は大きくなっています。
以下、批判の概要です。
開催目的の疑問
大阪万博の公式ウェブサイトに掲載されている「開催目的」が注目されています。
その内容は、少なくとも私たちの期待を裏切るものであり、驚きをもたらしています。
◆開催目的(大阪万博公式ウエブサイトより)
「万博」には、人・モノを呼び寄せる求心力と発信力があります。
この力を2020年東京オリンピック・パラリンピック後の大阪・関西、そして日本の成長を持続させる起爆剤にします。
このようなイベントは、国際的な交流や文化の発信、技術の展示など、多くの目的を持って開催されることが一般的です。しかし、大阪万博の目的は、一部の人々にとっては疑問視されています。
外国や企業の参加の難しさ:
大阪万博のパビリオンに展示する外国や企業の誘致が難航していると報じられています。
参加に乗り気でない国や企業が多いため、成功への不安が高まっています。
これは、万博の成功には多くの国や企業の協力が必要であり、参加者が少ない場合には目的を達成するのが難しいことを意味します。
建設費の増加
万博の会場建設費が増加しています。
物価上昇の影響で、建設費が最大で2350億円も増加する見込みです。
このような巨額の費用がかかるイベントに対して、予算の適切な管理が求められています。
報告書案の問題
経産省の報告書案には「トンデモ内容」が含まれていたとして、物議を醸しています。
この報告書案は一時的にホームページから削除されたとのことです。
このような問題があると、万博の信頼性や運営の透明性に疑問が投げかけられます。
万博終了後、会場施設などの再利用
万博が閉幕した後、会場施設や建物の再利用に向けた取り組みが行われています。
主な活動を解説します。
再利用の公募
万博閉幕後の8つのメインパビリオンなど計28施設や展示物の再利用に向けて、引き受け先を公募しています。
建設費の膨張に対する批判を踏まえ、万博の閉幕後も施設をレガシー(遺産)として残し、資源を有効活用することが検討されています。
対象施設
再利用の対象には、映画監督の河瀬直美さんら8人のプロデューサーが企画するパビリオン「テーマ館」8館と、若手建築家によって設計された休憩所やトイレなど20施設が含まれています。
これらの施設は丸ごと移築するか、解体後に展示物や建築資材の一部を譲渡する計画が検討されています。
公益的な再利用
引き受け先はインターネットなどで公募され、自治体には原則無償で、企業や団体には有償で譲渡されます。
また、パビリオン内の展示物や建材も公募対象になっており、効果的なPRを通じて再利用に向けた取り組みとなっています。
過去の事例
過去の万博や五輪では、建物が再利用されたケースがあります。
例えば、1970年大阪万博のカンボジア館は集会所として活用されています。
2021年の東京五輪・パラリンピックでも、選手村に建てられた交流施設の建材が再利用されています。
過去、日本で開催された万博
日本初となる日本万国博覧会(大阪万博)は、1970年3月15日から9月13日までの183日間にわたって大阪千里丘陵で開催されました。
この万博は「人類の進歩と調和」をテーマに、世界76カ国が参加し、海外の来賓は4,800人を超える盛況となりました。特筆すべきシンボルとして、「太陽の塔」が有名です。
その後、日本では以下のような歴代の万博が開催されています。
- 沖縄国際海洋博覧会(沖縄海洋博)(1975年):
沖縄で開催された特別博で、「海-その望ましい未来」をテーマに約349万人が訪れました。 - 国際科学技術博覧会(つくば万博)(1985年):
茨城県の筑波研究学園都市で開催された特別博で、約2,033万人が来場しました。 - 国際花と緑の博覧会(花の万博)(1990年):
大阪鶴見緑地で開催された特別博で、約2,312万人が訪れました。 - 2005年日本国際博覧会(愛知万博)(2005年):
愛知県瀬戸市南東部・豊田市・長久手町で開催された登録博で、約2,204万人が来場しました。 - 大阪・関西万博は、日本でおこなわれる6回目の万博となります。
初めて開催された万博
世界初の万博は、1851年にイギリス・ロンドンで開催されました。
この博覧会は「水晶宮博覧会」とも呼ばれ、様々な物品を集めて展示する形式で行われました。
以降、世界各国で多くの万博が開催されてきました。
以下は、歴代の万博の一部です。
- 1862年: フランス・パリで「第二回パリ万博」が開催されました。
- 1876年: 米国・フィラデルフィアで「フィラデルフィア万国博覧会」が行われました。
- 1880年: オーストラリア・メルボルンで「メルボルン万国博覧会」が開催されました。
- 1889年: フランス・パリで「第四回パリ万博」が行われました。
- 1893年: 米国・シカゴで「シカゴ万国博覧会」が開催されました。
- 1900年: フランス・パリで「第五回パリ万博」が行われました。
- 1970年: 日本・大阪で「日本万国博覧会(大阪万博)」が開催されました。
万博の2つのタイプ
万博は、国際的な博覧会であり、世界中の多くの国が参加します。
万博には以下の2つのタイプがあります。
登録博(定期開催)
登録博は、原則として5年ごとに開催されます。
このタイプの万博は、人類の進歩をテーマとし、最先端の科学技術などを展示します。
例えば、2025年の大阪万博は登録博として行われます。
認定博(不定期開催)
認定博は、特定の分野に絞ったテーマで行われます。
これは登録博の間に1回開催されるもので、周期以外にも開催が認められています。
認定博は、登録博よりも規模や開催期間が抑えられており、小規模国際博と位置付けられています。
<参考>
- 万博とは、パリ本拠の政府間組織である博覧会国際事務局(BIE)の承認のもと、国際博覧会条約に基づき開催される国際博覧会を指します。
- 万博の分類は、1988年の条約改正前の旧分類では、一般博覧会(「一般博」)と特別博覧会(「特別博」)が存在してまそた。よって 過去、日本で開催された大阪万博以外は、当時の区分である”特別博”の区分となっています。
まとめ ー大阪万博への期待ー
大阪・関西万博は、成功してほしいと思います。しかし コンセプトや運営の不透明感及び懸念は払拭すべきであると考えます。開催までに、いろいろな情報やルールが公表されてくるかと思いますが、今後の成り行きを見たいと思います。万博は、楽しみな部分と不安な部分が一般人は感じ取っています。