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半導体バブルに沸く熊本菊陽町‐TSMCの熊本進出 での新たな波

IT

台湾の半導体製造大手TSMCの日本国内初となる工場が2024年2月24日に開所します。
新たな工場は地上4階、地下2階で敷地面積は東京ドーム4個分となり、半導体を製造するクリーンルームは国内最大規模と言われています。改めて、この出来事につて振り返りをしてみましょう。

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なぜ熊本の菊陽町に進出したのか

半導体バブルの波に乗り、TSMCが熊本の菊陽町を選んだ理由にはいくつかあります。

豊富な水資源

半導体製造に欠かせない「きれいな水」が豊富にあります。
熊本県には「質の高い地下水」が豊富にあり、実際、進出先の熊本は「水どころ」として知られる。熊本県の生活用水の8割が地下水で、特に熊本地域(熊本市、菊池市の旧泗水町と旧旭志村の区域、宇土市、合志市、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町の11市町村からなる地域)は、ほとんど地下水に依存している。

半導体バブルと地域の技術力

TSMCが菊陽町を選定した背景には、地域の半導体技術力が挙げられます。
熊本は日本有数の技術力を誇り、TSMCの進出によってもたらされる最新技術の導入により、半導体生産プロセスの向上が期待されます。

具体的な投資額と規模

TSMCの熊本進出に伴う総投資額は約1兆円に達し、工場の敷地面積は約300万平方メートルに及びます。これにより、工場の年間生産能力は100万枚以上の大型ウェハーを達成する見込みです。

工場の規模

TSMCの菊陽町工場は、半導体バブルの中で業界をけん引する巨大な規模を誇ります。

具体的な生産能力と設備投資

工場の年間生産能力は120万枚の12インチウェハーで、これに伴う設備投資額は約6000億円に上ります。最新の製造技術と設備投資により、高品質かつ高効率な半導体製品の供給が期待されます。

TSMCとソニーグループ、デンソーが出資するTSMC子会社・JASMが第1工場に投資する金額は約1兆2700億円であり、日本政府は最大4760億円の補助金を出す。
さらに投資額が2兆円規模になるとみられる第2工場に政府は約9000億円を補助する意向であり、政府の補助金は総額1兆円を超える。第1工場では回路線幅12〜28ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体を、第2工場では7ナノメートル相当の半導体を量産する。

経済及び地元への貢献

TSMCの熊本進出がもたらす経済的な影響と地元への具体的な恩恵について、数値データを交えて見ていきましょう。

雇用機会と経済波及効果

TSMCの進出により、直接的な雇用は約1万5000人を見込んでおり、関連産業の雇用も含めると総計で約4万人以上の雇用が生まれる見通しです。これにより、地域の失業率は約3%から約1%に改善されると予測されます。

地域経済の拡大とGDP向上

TSMCの進出により、熊本県の地域経済は拡大し、地域総生産(GDP)は約1.5兆円増加する見通しです。地元企業やサービス業も含め、地域全体での収入が増加することが期待されます。

弊害・懸念点

一方で、進出にはデメリットや地元民の懸念も存在します。これらについても具体的な数値を交えて考察します。

環境への悪影響と対策の具体的な取り組み

工場建設や運営に伴う環境への悪影響に対して、TSMCは環境への配慮として再生可能エネルギーの導入や排出削減プロジェクトに取り組みます。

新しい労働者の流入と地元社会への影響の具体的な対応

新しい労働者の流入に伴う地元社会の変化への対応として、TSMCは地元コミュニティと連携し、住宅整備に予算を充て、地元住民の雇用も重視しています。

将来への期待

TSMCの熊本進出に対する将来への期待について、数値と共に具体的な展望を検討します。

経済効果

関連産業を含む雇用は1万0700人となり、電子デバイス関連産業集積に伴う2022年からの10年間で経済波及効果は6兆8518億円になるとしている。

補足

半導体バブルと日本の半導体産業の位置づけ

半導体バブルは、半導体市場での需給が急激に変動する状況を指し、需要が供給を上回り、市場が急拡大する現象です。このバブルは新たな技術の導入やデバイスの普及に伴って起こり、一時的な市場の活況を生む一方で、その後の調整が懸念される要因となります。

日本の半導体産業は、半導体バブルが発生するときにおいても、高い技術力と生産能力を有していました。例えば、1990年代初頭のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)市場でのバブルでは、日本企業が主導的な役割を果たし、市場の拡大に貢献しました。

1990年代初頭の日本の半導体市場において、DRAMの売上高は約2兆円に達しました。この時期、日本企業は世界市場での半導体の生産割合が高く、一部の企業は急成長を遂げました。しかし、その後の市場の急激な変動や競争激化により、一部企業は厳しい状況に直面しました。

現在も、日本の半導体産業は世界有数の技術力を有しています。TSMCの熊本進出が半導体バブルの一翼を担うなかで、日本企業は引き続き高付加価値な半導体製品の開発や製造に注力し、国内外で競争力を維持しています。

最新の数値によれば、2023年時点での日本の半導体市場は約15兆円と推定されており、引き続き世界市場で一定のシェアを保っています。 このような数字が示す通り、日本の半導体産業は堅牢な基盤を有しており、TSMCの進出により、新たな協力関係やイノベーションの創出が期待されています。

FAM8

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