ここにきて、「SDV」(ソフトウェアを活用して性能を更新できる次世代の自動車)について、政府は、日本メーカーの世界シェア3割を目指すという戦略案を公表した。すでに、各メーカーは国内外を問わず提携し進んでいる。
あらためて、次世代車「SDV」は どのような自動車なのか。
私たちユーザーのメリットとデメリットについて、わかりやすく、短くまとめました。
将来、購入を検討する前のご参考の一つとして紹介します。
次世代車「SDV車」とは
SDV (Software Defined Vehicle):
ソフトウェアによって機能や性能を拡張できる次世代自動車です。
ソフトウェアをアップデートすることで、車両の価値を継続的に向上させることができます。
2030年の商用化に向けて開発が進んでいます。
現在の自動車は、ハードウェアをアップデートすることで、車両の価値を継続的に向上させることができます。
ユーザーへのメリット/デメリット
ユーザーへのメリット/デメリットを推測します。
SDV車は、開発段階であり開発状況により これらの推測は異なった結果になるでしょう。
メリット
- 高いカスタマイズ性:
ユーザーは、自分のニーズや好みに合わせて車両の機能や性能を自由にカスタマイズできます。
例えば、運転支援システムやエンターテイメントシステムなどを追加したり、車両の外観や内装を変更したりすることができます。 - 常に最新の状態:
SDV車は、インターネットを通じて常に最新の状態にアップデートされます。
これにより、最新の機能や性能を利用できるだけでなく、セキュリティ上の脆弱性なども迅速に修正することができます。 - 新しいビジネスモデル:
SDV車は、従来の自動車とは異なり、ハードウェアではなくソフトウェアを販売するビジネスモデルが主流になると考えられます。
これにより、ユーザーは車両を購入するのではなく、月額料金を支払うことで、常に最新の状態の車両を利用できるようになります。 - 環境への配慮:
SDV車は、ソフトウェアアップデートによって燃費向上や排ガス削減などの機能を追加することができます。これにより、環境への負荷を低減することができます。
デメリット
- セキュリティリスク:
SDV車は、インターネットに接続されているため、ハッキングなどのセキュリティリスクがあります。
ハッキングによって車両の制御を奪われたり、個人情報が漏洩したりする可能性があります。 - コスト:
SDV車は、ソフトウェア開発やアップデートにかかるコストにより、従来の自動車よりも高価になる可能性があります。 - デジタルデバイド:
インターネット環境やITリテラシーがないユーザーにとって、SDV車は使いにくい可能性があります。 - 倫理的な問題:
SDV車は、自動運転やAIなどの技術を搭載するため、倫理的な問題が議論されています。
例えば、事故が発生した場合の責任の所在や、AIによる判断が人権を侵害する可能性などが懸念されています。
派生するかもしれない新たなビジネス
これらの、メリット/デメリットを解決するために 新たなビジネスが生まれるかもしれません。
デメリットから派生するビジネス
- SDV車のカスタマイズサービス:
ユーザーのニーズや好みに合わせて、SDV車の機能や性能をカスタマイズするサービスです。
例えば、運転支援システムやエンターテイメントシステムなどを追加したり、車両の外観や内装を変更したりすることができます。 - SDV車のアップデートサービス:
SDV車を常に最新の状態に保つためのアップデートサービスです。
このサービスには、セキュリティ対策や機能追加などのアップデートも含まれるでしょう。 - SDV自動車のサブスクリプションサービス:
SDV自動車を月額料金で利用できるサブスクリプションサービスです。
このサービスには、車両本体だけでなく、保険やメンテナンスなども含まれる場合があるでしょう。 - SDV自動車のデータ分析サービス:
SDV車から収集されたデータを分析し、交通状況やドライバーの行動パターンなどを把握するサービスです。
このサービスは、交通渋滞の緩和や事故の防止などに役立てることができるでしょう。
デメリットから派生するビジネス
- SDV車のセキュリティ対策サービス:
SDV自動車のセキュリティ対策を強化するためのサービスです。
このサービスには、ハッキング対策や個人情報保護対策などが含まれます。 - SDV自動車のデジタルデバイド対策サービス:
インターネット環境やITリテラシーがないユーザー向けの、SDV自動車の利用支援サービスです。このサービスには、使用方法の指導やトラブルシューティングなどが含まれます。 - SDV自動車の倫理問題に関するコンサルティングサービス:
SDV自動車の開発や運用における倫理的な問題に関するコンサルティングサービスです。
このサービスには、リスクアセスメントや倫理的な意思決定の支援などが含まれます。
国内外主要メーカーの価格案(2030年)
2030年の商用化に向けて、国内外の主要メーカーは様々な案を発表しています。
ユーザーも、従来の価格設定の考え方を変える必要があるでしょう。
国内メーカー
- トヨタ自動車:
2025年発売予定のEV「bZ4X」の価格は約600万円から。
SDV車も同程度の価格帯で販売することを想定しているようです。 - ホンダ:
2026年発売予定のEV「Honda Prologue」の価格は約400万円から。
SDV車も同程度の価格帯で販売することを想定しているようです。 - 日産自動車:
2028年発売予定のEV「Ariya」の価格は約500万円から。
SDV自動車も同程度の価格帯で販売することを想定しているようです。
海外メーカー
- テスラ:
米国メーカー
2023年5月現在、最安値モデルの「Model 3」の価格は約500万円。
SDV自動車も同程度の価格帯で販売することを想定しているようです。 - フォード:
米国メーカー
2023年5月現在、EV「Mustang Mach-E」の価格は約600万円。
SDV自動車も同程度の価格帯で販売することを想定しているようです。 - メルセデス・ベンツ:
ドイツメーカー
2022年12月に発表したSDV自動車のコンセプトモデル「Vision EQXX」の価格は約1億2000万円。
市販モデルは、このコンセプトモデルよりも安価な価格帯で販売されることが予想されています。
まとめ
2030年にどこまで商用化できていて、普及しているかで その時の価格は左右されているでしょう。ユーザーにとっては、まずは、高価なため安易には購入が難しくなっているかもしれません。
しかし、趣味嗜好の上では、面白い乗り物なので 待ち遠しいですね。
政府の舵取りで、普及速度や、価格なども変わるでしょうけど、商用化を期待したいです。