アマゾン・ドット・コムのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)が、5月14日に、クラウドサービス部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のCEOをアダム・セリプスキー氏がCEOを退き、後任には6月3日付でマット・ガーマン氏が就くことを明らかにしました。
会社のトップが交代するAWSの今後10年を興味を持って予測をしてみた。
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AWSの概要
AWS (Amazon Web Services)は、Amazon.comが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。
インターネット経由で、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーキング、分析、機械学習、人工知能、IoT、モバイル、セキュリティなど、幅広いサービスをオンデマンドで利用ができます。
特長
- スケーラビリティ:
サービスを必要に応じて簡単に拡張・縮小できるので、ビジネスの成長や変動に柔軟に対応ができる - コスト効率:
利用した分だけ課金される従量課金制なので、初期投資を抑え、コストを削減できます。 - 信頼性:
99.999999999%(10年間に1秒未満の停止時間)の可用性を誇るデータセンターで、安定稼働を実現しています。 - セキュリティ:
業界最高レベルのセキュリティ対策を施しています。 - グローバル性:
世界各地にデータセンターを展開しているので、低遅延で高品質なサービスを提供しています。
サービス
AWSは、100種類以上のサービスを提供し、さまざまなユースケースに対応をしています。
代表的なサービスです。
- コンピューティング:
Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)、Amazon Elastic Container Service (ECS)、Amazon Lambdaなど - ストレージ:
Amazon Simple Storage Service (S3)、Amazon Elastic Block Store (EBS)、Amazon Glacierなど - データベース:
Amazon Relational Database Service (RDS)、Amazon DynamoDB、 Amazon Auroraなど - ネットワーキング:
Amazon Virtual Private Cloud (VPC)、Amazon Elastic Load Balancing (ELB)、Amazon Route 53など - 分析:
Amazon Redshift、 Amazon Kinesis、 Amazon QuickSightなど - 機械学習:
Amazon Sage Maker、 Amazon Recognition、 Amazon Pollyなど - 人工知能:
Amazon Lex、 Amazon Comprehend、 Amazon Forecastなど - IoT:
Amazon Web Services IoT Core、 Amazon Kinesis Data Streams、 Amazon CloudWatchなど - モバイル:
Amazon Cognito、 Amazon SNS、 Amazon SQSなど - セキュリティ:
Amazon CloudTrail、 Amazon Guard Duty、 AWS Identity and Access Management (IAM)など
用途
AWSは、さまざまな業種・業態で利用されています。
以下は、AWSの主な利用シーンです。
- Webサイト・アプリケーションのホスティング:
EC2やELBなどを利用して、Webサイトやアプリケーションをホスティングできます。 - データ分析:
RedshiftやKinesisなどを利用して、大量のデータを分析できます。 - 機械学習:
SageMakerなどを利用して、機械学習モデルを開発・運用できます。 - モバイルアプリ開発:
CognitoやSNSなどを利用して、モバイルアプリを開発できます。 - IoTソリューション開発:
AWS IoT Coreなどを利用して、IoTソリューションを開発できます。
AWSの売り上げ
AWSの売上
- 2023年: 230億5900万ドル(前年比12%増)
- 2022年: 202億7800万ドル(前年比37%増)
- 2021年: 167億4400万ドル(前年比33%増)
Amazon全体に占める割合
- 2023年: 12%
- 2022年: 11%
- 2021年: 10%
今後10年間のAWSビジネス予測
今後10年間のAWSビジネスを予測してみましょう。
市場規模の拡大
- 10年間で、クラウドコンピューティング市場全体は4倍以上に成長すると予測されています。
- AWSは市場シェアを維持・拡大し、年間20%以上の成長を続けると予想されます。
- 2033年には、1兆ドル規模の事業になると推測されています。
成長を牽引する5つの柱
- ハイブリッド・マルチクラウドの普及:
企業は、オンプレミス環境とクラウド環境を組み合わせたハイブリッド・マルチクラウドアーキテクチャを積極的に導入していくと考えられます。
AWSは、この分野におけるリーダーシップを強化し、ハイブリッド・マルチクラウドソリューションの提供に注力していくでしょう。 - エッジコンピューティングの台頭:
エッジコンピューティングは、データ処理をデバイス側で行う分散型コンピューティングモデルです。
AWSは、エッジコンピューティングサービスの開発・提供を積極的に進めることで、IoTや5Gなどの新たな市場機会を捉えていくでしょう。 - 人工知能・機械学習の進化:
人工知能・機械学習は、あらゆる業界でビジネス変革を推進する力となっています。
AWSは、Amazon SageMakerなどのAI/MLサービスをさらに進化させ、企業のAI/ML導入を支援していくでしょう。 - データ分析の重要性向上:
データ分析は、企業にとって意思決定の重要な基盤となっています。
AWSは、Amazon Redshiftなどのデータ分析サービスを強化し、企業のデータドリブンな経営を支援していくでしょう。 - サイバーセキュリティへの脅威拡大:
サイバーセキュリティ脅威はますます巧妙化しており、企業にとって重要な課題となっています。AWSは、Amazon Web Services Security Hubなどのセキュリティサービスを強化し、企業のセキュリティ対策を支援していくでしょう。
その他注目点
- 業界特化ソリューションの拡充:
AWSは、ヘルスケア、製造業、金融、小売など、特定の業界向けに特化したソリューションの開発・提供を積極的に進めていくでしょう。 - グローバル展開の加速:
AWSは、世界中のリージョンにデータセンターを開設し、グローバルな顧客基盤をさらに拡大していくでしょう。 - 持続可能性への取り組み:
AWSは、再生可能エネルギーの利用やデータセンターの効率化など、持続可能性への取り組みを进一步強化していくでしょう。