櫻井翔の新ドラマ『占拠』シリーズが描く“放送局”のリアルとは?
人気シリーズとなった櫻井翔さん主演のドラマ『大病院占拠』『新空港占拠』に続き、ついに舞台は「テレビ局」で繰り広げられるようです
2025年放送予定の新作では、放送局が何者かに占拠されるというスリリングな展開が予告されています。
ところで、このドラマのように「放送局が舞台」となる作品では、よく“迷路のような構造”が描かれます。
これは単なる演出なのでしょうか?
実は、日本の放送局は、本当に複雑な構造になっているようです。
放送局の中はなぜ“迷路”なのか?

ゾーニングによる分断
NHKや日本テレビ、TBSなどの放送局は、報道・バラエティ・編集・営業といった部署が、物理的に別フロアやエリアに分かれています。
これは、情報の機密性や効率性、セキュリティの観点から設計されており、各エリアへの立ち入りにはカード認証が必要なことも多いです。
- ゾーニングとは:
基本的には「区分する」という意味で使われています。
日本独自で使われている外来語で、由来となっている英語「zoning」は「地区制」という意味です。
増改築による入り組み
特に、建設から長年運用されてきた局舎(旧TBS、旧フジテレビ河田町など)では、何度も増改築が行われてきた結果、通路が入り組み、部屋の配置も非対称です。
バックヤードの存在
観覧者やゲストには見えない裏導線(通称:バックヤード)も多数存在し、スタジオや編集室を裏からつなぐ通路は、一部のスタッフしか知らない“裏道”として重宝されています。
実際に「迷路構造」が功を奏した出来事
NHKでの不審者侵入事件(2004年)
NHK渋谷放送センターに刃物を持った男が侵入した事件が起きました。
ゾーニングと裏導線により報道エリアへの侵入を防ぎ、職員の安全を確保する結果となったようです。
東日本大震災での報道継続(2011年)
NHKや民放では、編集・送出機能が分かれた構造や、独立した非常電源ルートにより、建物の一部が損傷しても報道を止めずに対応できました。
『占拠』シリーズにも活かせる構造的演出

『占拠』シリーズでは、事件の舞台が複雑であればあるほど、逃走・捜索・交渉といった展開にリアリティとスリルが加わります。
特に放送局を舞台にすると、
- 密談が行われる地下資料室
- ゲストが迷い込む楽屋裏通路
- 電波送信室への極秘ルート
など、現実に存在する“放送局の裏側”がそのまま物語の仕掛けにすることができます。
海外の放送局ではどうなっているのでしょう?

BBC(イギリス)
ロンドンにある「BBCブロードキャスティング・ハウス」は、報道・ラジオ・オンライン機能を備えたオープンな構造が特徴です。
一般公開エリアも広く、スタジオ見学ツアーが人気となってます。
ただし、重要エリアはカード認証付きで、セキュリティと透明性を両立させた設計となっています。
CNN(アメリカ・アトランタ)
CNN本社のCNNセンターは、商業施設と放送施設が併設されたユニークな構造です。
報道フロアは上層階に分離され、エレベーターを使わないとアクセスできません。
過去にテロを警戒して、スタジオへの直通ルートは制限されるようになりました。
NHKと比較して…
日本の放送局は、海外に比べて情報漏洩や組織内ヒエラルキーへの配慮が強く、物理的な隔離が徹底される傾向があります。
これは、組織文化や報道倫理観の違いが影響しているのでしょう。
まとめ:ドラマの舞台にもなる“迷路構造”はリアルだった!
櫻井翔さんの新たな『占拠』シリーズで放送局が舞台になるのは、非常に理にかなっています。
日本のテレビ局は、その迷路のような構造ゆえに、現実でも緊急事態に耐えうる強さを持ち、同時にフィクションの舞台としての魅力も秘めています。
次回のドラマでは、ぜひ「この廊下、実際にNHKの地下かも?」などと思いながら視聴してみてはいかがでしょうか。ドラマと現実が重なる瞬間が、きっとあるはずです。
しかし、リアルにドラマで局内を放映することはなく、必要によりバーチャルで制作されているのでしょう。セキュリティが心配になりますから。
rakuten