2025年4月6日に首都圏や東海地方などの高速道路の料金所で、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)ができなくなり、混乱をおこした。
この問題をきっかけに、ETCの進化、将来の自動運転を見据えたロードマップをしることで 、今後安心して高速道路などを利用できればと思います。
ETCってそもそも何?

今更ですが、ETC(Electronic Toll Collection)は、日本では2001年から本格導入された、高速道路料金の自動収受システムです。
車に専用の車載器とETCカードをセットすることで、料金所をノンストップで通過できます。
ある調査では、ETCの普及率は2024年9月時点で94.3%以上のようです。
ETC2.0の登場で何が変わった?

2016年から導入が進んだ「ETC2.0」とは、従来ETCの料金収受機能のみであったものに、双方向通信を行うことで以下のような機能が追加されたETCです。
初期ETC(1.0)の特徴
- 主な目的は料金収受の自動化
- 通信は「一方向(車→ゲート)」
- ゲートを開けるための通信のみ(通行記録など限定的)
ETC2.0の特徴
- 双方向通信が可能(車↔道路インフラ)
- 交通情報の提供(渋滞、事故、落下物など)
- 災害時のルート誘導
- 走行履歴の記録や安全運転支援
- 一部で走行距離課金も可能
次のステージは「ゲートレスETC」
国土交通省やNEXCO各社が目指しているのが、「フリーフロー料金収受」です。
これは、現在のようなバーのある料金所を完全に廃止し、車がそのまま通過しても料金を正確に徴収できるシステムをいいます。
仕組みは、高速道路上に設置されたカメラやセンサーが車両ナンバーや車載器を識別し、自動で課金処理を行います。
これにより、完全なノンストップ通行が可能になりますが、まだまだ技術的な課題を解決する必要があります。
自動運転時代を見据えたETCの進化

自動運転車の普及が進む中、ETCがその変化に対応していくポイントは以下の3点があります。
自動運転車との通信連携(V2I)
ETC2.0の通信機能は、自動運転車にとっても重要であり、自動車が道路インフラとリアルタイムに通信できることで、走行ルートの最適化や緊急時の判断が可能になります。
V2I(Vehicle to Infrastructure)とは、自動車と道路のインフラ機器との間で通信を行う技術のことです。
ドライバーレスでも課金可能な仕組み
将来的に人が乗っていない車両(無人配送車など)でも、ナンバーや車両ID、SIMチップなどによって料金を自動で徴収できる仕組みが必要です。
ETCカードに頼らない仕組みの整備が必要となります。
MaaSやスマートシティとの連携
公共交通やシェアモビリティとの料金統合も検討が進んでいます。
ETCが交通ICカードやスマホアプリと連携すると、都市全体の移動がよりシームレスになる構想のようです。
海外との違いは?
日本はETCの導入率・精度ともに世界トップクラスですが、海外でも同様のシステムが普及しています。
例えば、
- アメリカ:EZ-Pass(タグ方式)
アメリカのハイウェイは基本無料ですが、一部では有料道路があります。そのようなときに日本のETCのようなEZ-Passが使われています。ただし、普及はしてないようです。 - 韓国:Hi-Pass(日本とほぼ同様)
- シンガポール:ERP(市内でも利用)
スマホ連携やクラウド課金などの柔軟さは、海外の方が一歩進んでいる面があります。
まとめ:ETCは「道路のIoT」へ進化中
ETCは今後、単なる料金収受システムから「道路のIoTプラットフォーム」へと進化していきます。
自動運転車とつながり、都市交通の効率化に寄与することが期待されます。
料金所がなくなり、車が止まらずに走り続け、さらに自動で情報をやりとりする――そんな未来は、もうすぐそこまで来ていますね。