『おまけ』だけ抜いて食品廃棄―マクドナルド「ハッピーセット」騒動、なぜ繰り返される? 仮面ライダーカードから鬼滅ウエハースまでの50年史

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2025年8月、日本マクドナルドのハッピーセットに付属した「ポケモンカード」が、発売直後から大人の買い占めや転売目的で品薄になり、ハンバーガーやポテトなどの食品だけが廃棄される事態が発生したようです。

SNSでは「食べ物を粗末にするな」「子どもたちの手に渡らない」といった批判が殺到。
マクドナルドから、謝罪と販売方法の見直しの発表がされました。

しかし、このような構図は日本において過去半世紀にわたり、同じような「おまけ目当ての買い占め→食品廃棄」が繰り返されています。

過去の事例や海外での類似事例などを紹介します。

過去の類似事例(日本編)

マクドナルド・ポケモンカード付きハッピーセット(2025年)

日本マクドナルドが8月に実施したキャンペーンで、ハッピーセット購入者に限定ポケモンカードを配布。
発売直後から大人による大量購入や転売目的の買い占めが発生し、SNSにはカードのみ抜き取り、ハンバーガーやポテトなどが袋ごと捨てられた写真が相次ぎ投稿されています。
一部店舗では販売制限を設けていたものの、結果的に食品廃棄が社会問題化し、環境面・倫理面から批判が集中し、企業側は謝罪と販売方法の見直しを発表するに至っています。

仮面ライダースナック(1971〜73年)

カルビーが発売したスナックに付属する「仮面ライダーカード」は、当時の子どもたちの間で爆発的ブームになりました。

しかしコンプリート目的やレアカード狙いで、大量購入→カードだけ取り出し→菓子を廃棄、という行為が全国で発生しました。
駄菓子屋や公園のゴミ箱には、未開封のスナック袋が山積みになったと報道されました。

ビックリマンチョコ(1980〜90年代)

ロッテの「ビックリマンチョコ」に付属するシールは、子どもから大人まで熱中しました。

1980年代後半にはシールだけ抜いてチョコを捨てる行為が社会問題となり、ロッテは「ビックリマン憲章」(※)を制定するなどの対応を行いました。

(※)「ビックリマン憲章」の内容(主なもの)

  • シールの単体販売や売買を禁止
  • 食品の適正消費の呼びかけ
  • 店頭での不正行為防止のための監視強化
  • 消費者へのマナー啓発

食品廃棄の禁止やシール売買禁止を呼びかけましたが、完全な抑止には至りませんでした。

鬼滅の刃ウエハース(2020年)

バンダイのシール付きウエハースが鬼滅ブームと重なり、またもや「シールだけ抜いてウエハースは捨てる」報告がSNSで拡散しました。

当時はビックリマン世代から「またか…」という嘆きの声が多く見られたようです。

なぜ日本で繰り返されるのか

限定品文化とコレクション熱

日本は「限定」「コンプリート」の意識が強く、特に子ども向けおまけは番号やシリーズ展開で収集欲を煽るのではにでしょうか。

食玩文化の成熟

戦後から発展した「食玩」は、食品と玩具を一体販売する独自市場を形成します。
消費者は食品よりおまけを目的に購入する傾向となるのでしょう。

転売市場とSNSの加速

メルカリやオークションサイトの普及で、おまけが現金化しやすくなりました。
SNSは入手困難感を煽り、転売価格を吊り上げる方向へ誘導しているのではないでしょうか。

「もったいない」文化との矛盾

日本は食べ物を大切にする価値観を持ちながら、商業的プロモーションによって廃棄が発生するという矛盾が生まれている歴史背景があるのではないでしょうか。

海外の類似事例

米国マクドナルド「ポケモンカード」プロモ(2021年)

アメリカのマクドナルドでも、ハッピーセットに限定ポケモンカードを封入するキャンペーンがあり、大人の買い占め・転売が発生しています。
食品廃棄や在庫不足が問題化し、一部店舗で購入制限が導入されました。

まとめ

マクドナルドのポケモンカード騒動は突発的な出来事ではなく、日本において50年以上繰り返されてきた「おまけ廃棄問題」の延長線上にあります。

仮面ライダースナックからビックリマンチョコ、鬼滅ウエハース、そして今回のポケモンカードまで、構造はほとんど変わっていないでしょう。

おまけ文化を続けるために、斬新なアイディアを待つしかないかも、、、、、

rakuten

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