MLB今季初の“トリプルプレー”95年ぶりの珍事!トリプルプレーの歴史と魅力

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MLBフィラデルフィア・フィリーズは現地時間6月24日、敵地でデトロイト・タイガースと対戦し、フィリーズの内野陣が魅せた華麗なプレーは、1929年以来の珍しいプレーとなった。

このプレーから、関連するトリプルプレーの歴史と魅力を探ります。

2024年6月24日 95年ぶりの珍しいトリプルプレー

https://thedigestweb.com/baseball/detail_2/id=82199

概要

2024年6月24日に行われたフィリーズ対タイガースのインターリーグ戦において、フィリーズが1-3-5という珍しいトリプルプレーを完成させました。
これは、メジャー全体で今季初、フィリーズとしては2017年8月27日以来の記録となります。

状況

3回裏、フィリーズは4点リードで無死一、三塁のピンチを迎えます。
タイガースの3番打者マシュー・ビアリング選手が放った打球はピッチャーライナーとなり、フィリーズ先発のアーロン・ノラ投手がノーバウンドでキャッチします。

トリプルプレーの過程

  1. ノラ投手は一塁へ送球し、飛び出していた一塁走者をアウトにします(2アウト)。
  2. 一塁手ブライス・ハーパー選手は、三塁走者も飛び出していたことに気づき、素早く三塁へ送球します。
  3. 三塁手ニック・キャステロ選手が球を捕球し、三塁走者もアウトにします(3アウト)。

何が珍しいのか

このトリプルプレーが珍しい理由は以下の2点です。

  • 1-3-5というシチュエーション:
    通常のトリプルプレーは5-4-3または4-6-3で行われますが、今回のような1-3-5は非常に稀です。アメリカ野球学会(SABR)によると、1929年7月11日以来、95年ぶりの記録だそうです。
  • 三塁走者が飛び出していたこと:
    三塁走者が飛び出している状況でのトリプルプレーは、比較的珍しいと言えます。

MLBでは何度のトリプルプレーがあったのか

MLBにおけるトリプルプレーの正確な回数は、記録方法や定義の違いによって若干異なるため、一概には言えません。
しかし、参考となるデータはいくつかあります。

■ 公式記録

  • MLB公式サイト:
    1876年以降の公式記録では、189回とされています。
    ただし、この記録には、挟殺プレイの一部を含むものも含まれている可能性があります。
  • SABR(アメリカ野球学会):
    1871年以降の記録を独自に調査しており、こちらは155回としています。
    挟殺プレイを除いた、より厳密な定義に基づいています。

■ 近年の傾向

  • 近年はトリプルプレーの発生頻度が減少しており、2000年以降は年間平均4回程度となっています。
    これは、守備戦術の進化や、打撃スタイルの変化などが影響していると考えられます。
  • 2023年には、139年ぶりとなる「8-3-5」トリプルプレーがレッドソックスで発生しました。
    これは、中堅手から一塁、三塁へ送球して3つのアウトを取るという、非常に珍しいケースです。https://baseball.yahoo.co.jp/mlb/game/2024062413/text

■ その他

  • トリプルプレーは、無死一・二塁または無死満塁の状況で起こりやすいとされています。
  • 特定のポジションで発生しやすいわけではありませんが、二塁手が関与するケースが比較的多いようです。
  • メジャーリーガーの中でも、トリプルプレーを複数回経験している選手はごく少数です。

日本プロ野球でのトリプルプレーの記録

日本プロ野球(NPB)でのトリプルプレーの回数は、2024年6月27日現在、16回記録されています。

記録の内訳

  • リーグ別:
    • パ・リーグ: 8回
    • セ・リーグ: 8回
  • 時期別:
    • 1950年代: 4回
    • 1960年代: 3回
    • 1970年代: 2回
    • 1980年代: 2回
    • 1990年代: 1回
    • 2000年代: 3回
    • 2010年代: 1回
    • 2020年代: 0回
  • その他:
    • 2000年から2022年4月10日までの間に記録された15回のうち、西武が7回と最も多い。
    • 無死一・二塁もしくは満塁で発生するのが一般的ですが、2015年3月8日のオープン戦・西武-オリックス戦(わかさ)では、1点が入ってしまった珍しいトリプルプレーも記録されている。

唯一の無補殺トリプルプレー

NPB史上、唯一の無補殺三重殺(1人でのトリプルプレー)は、1967年7月30日の阪急ブレーブス対東京オリオンズ戦(東京)で、阪急の住友平(二塁手)によって達成されています。
無死一、二塁の守備で相手のエンドランがかかり、二直を捕球(1アウト)した後、そのまま二塁ベースを踏んだ(2アウト)上で、迫ってきた一塁走者もタッチアウト(3アウト)にした。。

近年のトリプルプレー

近年ではトリプルプレーの発生頻度が減少しており、2010年以降は9回しか記録されていません。2023年にはトリプルプレーが全く発生しませんでした。

MLBでの無補殺トリプルプレー(1人でのトリプルプレー)の記録

無補殺トリプルプレー(1人でのトリプルプレー)を完成させた記録は12回あります。
これを「アンアシスティッド・トリプルプレー」または「無補殺トリプルプレー」と呼びます。

初めての記録

初めての記録は、1891年5月30日のフィラデルフィア・フィリーズ対ブルックリン・ブリッジメン戦で、フィリーズのビル・ウォーカー三塁手によって達成されました。

その後の記録

その後も、19世紀末から20世紀にかけて、アンアシスティッド・トリプルプレーが記録されてきましたが、20世紀後半以降は非常に稀になり、1976年以降は30年以上発生していません

最後の記録

最後の記録は、2003年8月10日のドジャー・スタジアムで行われたロサンゼルス・ドジャース対サンディエゴ・パドレス戦で、ドジャースのラファエル・ファーカル遊撃手によって達成されました。
ファーカルは、ゴロをダイビングキャッチし、一塁へ送球して一死を取り、その後二塁へ飛び出して二塁走者をアウトにし、さらに一塁へ戻って一塁走者をアウトするという、プレーを見せました。

アンアシスティッド・トリプルプレーの難しさ

アンアシスティッド・トリプルプレーは、非常に難易度の高いプレーです。
打球がゴロであること、走者がベース上で離塁していること、野手が打球を捕球し、素早く複数のベースへ送球できる運動能力が必要となります。

トリプルプレーの魅力

トリプルプレーは、野球の中でも非常に稀なプレーであり、その瞬間は大きな盛り上がりを見せます。その魅力は、以下の点にあります。

稀有性

トリプルプレーは、確率的に非常に起こりにくいプレーです。
MLBでは年間平均4回程度、NPBでは10年以上発生していないというデータからも、その稀有性が窺えます。
そのため、実際に起こったときは、大きな驚きと興奮をもたらします。

華麗なプレー

トリプルプレーは、野手の高い運動能力と連携によって完成されるプレーです。
打球を捕球し、複数のベースへ送球する俊敏性と正確性、そして状況判断力が必要となります。
そのため、成功したときは、野手の華麗なプレーを楽しむことができます。

ドラマ性

トリプルプレーは、試合の流れを大きく左右する可能性があります。
特に、接戦の場面で発生した場合は、試合の行方を左右する重要なプレーとなります。
そのため、観客は手に汗握る展開を楽しむことができます。

歴史的な瞬間

トリプルプレーは、野球の歴史に残る瞬間となります。
特に、無補殺トリプルプレーのような、非常に珍しいプレーは、長く語り継がれることでしょう。

野球の奥深さ

トリプルプレーは、野球の奥深さを感じさせてくれます。
野球には、様々な戦略や駆け引きがありますが、トリプルプレーは、その中でも特に高度な戦術が凝縮されたプレーと言えるでしょう。

まとめ

トリプルプレーは野球ファンにとって、非常に魅力的なプレーです。今後も、目が離せない記録の一つと言えるでしょう。

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