毎年の２月２日節分には、全国で恵方巻を食べる習慣となっている。
いつから、恵方巻を食べる習慣であったのか？
なぜ、恵方巻を食べるのか、本来の由緒ある食べ方は？
近年、恵方巻の習慣が全国で行われているのは何故か？
疑問に思うことを紹介し、豆知識の一つにしましょう。
恵方巻を食べる習慣は江戸時代からは本当？
節分に恵方巻を食べる習慣は、もともとは大阪を中心とした関西地方で広まっていたようです、起源には諸説あるようです。
恵方巻の起源と広まり
- 江戸時代後期～明治時代（諸説あり）
大阪の花街（遊郭）で、商売繁盛や縁起を担ぐために巻き寿司を食べる風習があったとされています。 - 昭和初期（1930年代）
大阪の寿司業界や海苔業界が「節分に巻き寿司を食べると縁起が良い」と宣伝し広めようとし、1932年（昭和7年）は、大阪鮓商組合が「丸かぶり寿司」として宣伝していた記録がのこっているようです。 - 1970年代～1980年代（コンビニの影響）
1973年（昭和48年）に大阪海苔問屋協同組合が「幸運巻寿司」として宣伝した記録がのこっていいます。
1989年（平成元年）にセブン-イレブンが広島の店舗で恵方巻の販売を開始したようです。なぜ 広島であったのかは公表されていませんが、戦略的なことが考慮されているのではないでしょうか。
そして 1998年（平成10年）にセブン-イレブンが全国展開し、全国的に広まるきっかけとなったようです。
決まった方角（恵方）に向かって食べる理由
２０２５年の恵方
まず、2025年（令和7年）の恵方は「西南西やや西」 です。
理由は、以下に解説をしています。
恵方とは
恵方巻の「恵方」とは、その年の福を司る神様 「歳徳神（としとくじん）」 がいる方角のことを指します。
歳徳神は毎年異なる方角に移動すると考えられ、その方角に向かって願いごとをすると運気が上がるとされていました。
恵方は 十干（じっかん） に基づいて、基本的に以下の4パターンで循環します。
- 西暦の下一桁が 0・5 → 西南西やや西
- 西暦の下一桁が 1・6 → 南南東やや南
- 西暦の下一桁が 2・7 → 北北西やや北
- 西暦の下一桁が 3・8 → 南南東やや南
- 西暦の下一桁が 4・9 → 東北東やや東
2025年は 下一桁が5なので、「西南西やや西」 となります。
恵方巻の食べ方６ポイント（例：大阪で恵方巻を食べる場合）
恵方巻の「正しい縁起の担ぎ方」の食べ方を紹介します。
大阪発祥の文化ということで、大阪の伝統的なスタイルに沿った食べ方を順番に紹介します。
恵方を確認する
- その年の 「恵方（歳徳神のいる方角）」 を確認します。
- 2025年の恵方は 西南西やや西 です。
- 方位磁石やスマホのコンパスアプリを使うと正確に分かりますね。
恵方巻を準備する
- 巻き寿司は1本丸ごと用意する（切らないのが重要）
- 「縁を切らない」「運を断ち切らない」意味があるためですね。
包丁で切らずに1本のまま食べます。 - 伝統的な具材は 七福神にちなんで7種類 が多いようです。
例：しいたけ煮、高野豆腐、うなぎ（穴子）、かんぴょう、卵焼き、きゅうり、桜でんぶ
食べる前に願いごとをする
- 食べる前に心の中で願いごとをしましょう（声に出さずに念じます）
- 商売繁盛、家内安全、健康祈願など、それぞれの願いを込めましょう。
恵方を向いて無言で食べる
- 恵方の方角（例：2025年は西南西やや西）に体ごと向けましょう。
- 無言で、途中で口を離さずに食べ続けます。
しゃべると福が逃げるとされるため、最後まで静かに食べるのがルールのようです。
食べ終わるまで一気に食べる
- 一口でも残すと願いが叶わない と言われるので、できるだけ最後まで食べきりましょう。
- 食べ終わるまで話さないことを意識することが大事です。
食べ終わったらお礼を言う（心の中で）
- 昔の風習では、食べ終わったあとに 「福をいただきました」 と感謝の気持ちを持つことが大切とされていたようです。
- お茶などを飲みながら、静かに余韻を楽しみましょう。
大阪の恵方巻の特徴
- 商売繁盛を願う文化が強い（大阪商人の風習として広まった）。
- 具材は基本的に「七福神」にちなんで7種類。
- 「太巻き寿司」は大阪寿司文化の影響が強い（江戸前の細巻きとは違い、関西は太巻きが主流）。
コンビニ戦略の成功なのか、恵方巻習慣は？
恵方巻が現在のように全国の習慣として定着したのは、コンビニ業界の戦略によるもの という説が有力のようです。
特にセブン-イレブンの販売戦略 が大きな影響を与えたとされています。
セブン-イレブンの戦略
- 1989年（平成元年）
広島県のセブン-イレブン店舗で試験販売を開始
広島のセブン-イレブンのオーナーが関西の恵方巻文化をヒントにした と言われています - 1998年（平成10年）
セブン-イレブンが全国展開を開始
「恵方巻」という名称を初めて使い、全国の店舗で販売を促進
広告戦略を強化し、「節分には恵方巻」というイメージを植え付けました
他のコンビニ・スーパーが追随
- 2000年代に入ると、ローソン、ファミリーマート、イオンなどが参入
- 各社がテレビCMやチラシで「恵方巻は節分の定番」と宣伝
- 企業側が「恵方巻＝全国的な習慣」としてブームを作り上げました
「バレンタインチョコ」との共通点
恵方巻の全国普及は、「バレンタインデーにチョコを贈る文化を作ったのが製菓業界」 という話と似ています。
- 元々は関西のローカルな風習だったものを、企業の販売戦略によって全国に広めました。
- 「この時期に食べるべきもの」として消費者に刷り込むことを進めました。
- バレンタインチョコと同様、売り上げを伸ばすために広告キャンペーンが積極的に行われました。
「恵方巻のゴリ押し説」や噂
- 「コンビニ業界が売り上げのために作ったイベントだ」という批判があります。
もともと全国的な風習ではなかったことから「企業の販促戦略では？」という疑惑が根強く残ってます。 - 「売れ残り廃棄問題」
ノルマを課せられる店舗が大量に仕入れ、売れ残ることが問題視されるようになっています。 - 「関西以外の人には馴染みがなかった」
2000年代以前は関西以外での認知度は低かったようですが、急に全国で広まったため違和感を持つ人も多くいます。
まとめ
毎年の節分には、豆まきや恵方巻など 全国や各地域ごとの習慣があります。
昔からの良い習慣を今後も引き継ぎ、世代や時代が進んでも伝えていくことが大事ですね。
今回の記事を豆知識として役立てば嬉しいです。
