世界最高峰のモーターレース「F1」の日本グランプリを大阪に誘致する計画が再び持ち上がっています。メリット・デメリットを理解しF1の誘致計画を考えてみましょう。
F1とは
F1（Formula 1）は、世界的なモータースポーツの最高峰で「フォーミュラカー」と呼ばれる高性能レーシングカーで行われるレースです。
- フォーミュラカー:
F1のマシンは、エンジン、シャーシ、タイヤ、エアロダイナミクスなど、FIA（国際自動車連盟）が定めた規格に基づいて製作をされたレーシングカーです。
単座席で屋根がなく、タイヤに覆いがないのが特徴です。 - グランプリ:
F1は世界各国で開催される一連のレースで構成されており、これをグランプリと呼びます。
F1レースの組織構成とスタッフの役割
- チームプリンシパル:
チーム全体を率いる役職で、スタッフの業務管理や組織全体の代表を担当します。
ドライバーたちとも直接コミュニケーションを取ります。 - エンジニア:
シャシー、エンジン、タイヤなどのマシンの設定や性能評価を担当します。
パフォーマンスエンジニア、コントロールエンジニア、エアロダイナミックエンジニア、エンジンエンジニアなど。 - テクニカルディレクター:
すべてのエンジニアリング業務を統括しします。 - チーフメカニック:
ピットガレージ内のメカニックを監督し、マシンのセッティングやメンテナンスを行います。 - メカニック:
マシンの実際の走行やピットストップ作業を担当します。 - データサイエンティスト:
マシンからリアルタイムで送信されるデータを分析し、マシンのパフォーマンスを評価します。
大阪への誘致は、なぜか？
公益財団法人「大阪観光局」は、2025年の大阪・関西万博閉幕後の観光資源としてF1を位置付け、公的資金に頼らない民設・民営での誘致計画を表明しています。以前は行政主導での誘致を検討しましたが、断念した大阪府市は後方支援に回っています。
F1の誘致へのハードルがある
- 開催コストの問題：
常設のサーキットには膨大な建設費や維持費がかかりますが、市街地コースでも舗装の改修や周辺施設の営業停止に伴う補償が求められます。また、F1の誘致には主催側に支払う開催権料も必要です。新興開催地の開催権料は特に高額とされており、民間資金だけで開催費用を賄えるかは全くの不明です。
- 「1国1開催」のF1不文律：
日本GPは昭和62年以降、鈴鹿サーキットで開催されており1国2開催が認められないため、鈴鹿がF1カレンダーから脱落する可能性があります。ただし、F1側は市街地レースを展開しており、大阪と鈴鹿を対立させることで開催契約の契約金を釣り上げる可能性もあると指摘されています。
誘致先計画の場所は決まっているのか
具体的な場所はまだ未定ですが、いくつかの候補地が考慮されています。
誘致場所を考えるいくつかのポイントを紹介します。
- サーキット場の新設：
新たにF1用のサーキットを建設する案があります。
これにより、専用のレーストラックを整備しF1グランプリを開催できる環境を整えることが考えられています。 - 既存の公道を利用：
一部の都市では、既存の公道をF1レース用に一時的に閉鎖して、公道サーキットとして活用する案もあります。この場合、大阪市内の主要な通りや観光名所を活用することが検討されています。
大阪に誘致した場合のメリット・デメリット
誘致のメリット
大阪でF1を誘致するいくつかのメリットを紹介します。
- 観光振興：
F1は世界的なモータースポーツイベントであり、多くの観光客を引き寄せることが期待されます。大阪でのF1開催は、国際的な注目を集め、観光業を活性化させる一助となるでしょう。 - 経済効果：
F1グランプリは大規模なイベントであり、ホテル、レストラン、交通機関などの観光関連産業に大きな経済的影響を及ぼします。観客数が多い場合、地域経済にプラスの影響をもたらすことが期待されます。 - 国際的なイメージ向上：
F1は世界中で放送され、多くの国から観客が訪れます。大阪でのF1開催は、国際的なイメージを向上させ、都市の魅力を広める機会となります。 - スポーツ文化の発展：F1はスポーツ文化の一環として、地域のスポーツファンや若者に刺激を与え、モータースポーツへの興味を高めることができます。
誘致のデメリット
大阪でF1を誘致した場合の潜在的なデメリットを紹介します。
- 経費負担:
F1の開催には高額な経費がかかります。
サーキットの建設や改修、セキュリティ対策、観客の受け入れなど、多くのコストが発生します。これにより、市の予算に負担がかかる可能性があります。 - 交通渋滞と騒音:
F1グランプリは多くの観客を引き寄せますが、その結果、周辺の交通渋滞が発生する可能性があります。また、エンジン音やイベントの騒音も近隣住民に影響を及ぼすことがあります。 - 環境への影響:
サーキットの建設や運営は環境に影響を及ぼすことがあります。土地利用の変化、騒音、廃棄物の処理などが問題となる可能性があります。 - イベントの持続性:
F1は一時的なイベントであり、開催期間中には多くの観光客が訪れますが、その後の持続的な観光振興や経済効果が続くかどうかは不確定です。
まとめ
F1を誘致するためには、いくつものハードルを越えて実現していくことになります。重要なことの一つとして、この計画を進めるにあたり 地元とで生活をしてる人々に声を聴き落としどころを協議しつつ計画を考えてほしいと思います。F1ファンの一人としては大阪でのF1開催を観てみたいとは思います。
