ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が2025年2月18日に高知市にオープンすることが決まり、これで、47都道府県の全てに出店することとなりました。
これで ドン・キホーテは、ナショナルチェーンの仲間入りとなります。
ドン・キホーテ高知店
高知県だけが、長年出店しなかった理由
ドン・キホーテが、これまで高知県に出店していなかった理由は明確には公表されていません。
そこで、いくつかの要因を考えてもましょう。
- 高知県の人口減少に伴い、人口密度が低いことから市場規模の小ささを考え、採算面で懸念があると判断をしていたと推測します。
- 地元住民からの交通渋滞や事故のリスクに対する懸念
出店場所
高知店の所在地は、高知県高知市東雲町7番1号。とさでん交通後免線 知寄町三丁目駅から徒歩約3分、JR四国 高知駅より車で約7分の場所に出店します。
ドン・キホーテの歴史
ドン・キホーテは、1978年に安田隆夫氏によって「泥棒市場」という名前の小さな雑貨店から始まりました。
その後、1989年に「ドン・キホーテ」1号店をオープンし、独特な品揃えと低価格で人気を集め、日本全国に店舗を拡大しました。
- 1980年:「泥棒市場」として東京都杉並区に創業(深夜営業のディスカウントストア)
- 1989年:「ドン・キホーテ」1号店(東京都府中市)を開店し、現業態の基盤を確立
- 1996年:東証2部上場(2000年に東証1部昇格)
- 2000年代:全国展開を加速し、大型店「MEGAドン・キホーテ」も展開
- 2007年:ファミリー向け業態「MEGAドン・キホーテ」本格展開開始
- 2013年:「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)」を設立
- 2019年:ユニー(アピタ・ピアゴ)を完全子会社化し、総合ディスカウント事業を拡大
- 2020年代:海外進出を加速(シンガポール、香港、タイなど)
- 2025年:高知県に初出店し、47都道府県への展開を達成予定
ナショナルチェーンの仲間入り
多店舗展開を行うチェーンストアの規模を示す言葉には「ナショナルチェーン」、「リージョナルチェーン」、「ローカルチェーン」の3種類があります。
ナショナルチェーンの定義
それぞれを、定義すると、
- ローカルチェーン・・・一つの商勢圏に11店舗以上出店しているチェーンストア
- リージョナルチェーン・・・二つ以上の商勢圏に展開するチェーンストア
- ナショナルチェーン・・・二つ以上のリージョナルチェーンを展開しているチェーンストア
ここれ、全国展開しているのがナショナルチェーンではないですが、この記事のみ関して全国展開をしているということを定義とします。
ナショナルチェーンの特長
- 統一されたブランドイメージ: 全国どこへ行っても同じような雰囲気や商品ラインナップが提供されます。
- スケールメリット: 大量仕入れによるコスト削減や、効率的な物流システムにより、低価格での商品提供が可能になります。
- 多様な商品ラインナップ: 幅広い客層のニーズに応えるため、多種多様な商品を取り扱っています。
- 高い認知度: 全国的な広告展開などにより、高いブランド認知度を獲得しています。
ナショナルチェーンの例
ナショナルチェーンの代表例と、各社の経営戦略を紹介をします。
セブン-イレブン
- 戦略:
多角化: コンビニエンスストアの枠を超え、金融サービス、宅配サービス、公共サービスなど、幅広い事業を展開しています。
地域密着: 各店舗が地域に密着し、地域住民のニーズに合わせた商品やサービスを提供しています。
IT活用: POSシステム1や物流システムの高度化により、効率的な店舗運営を実現しています。
フランチャイズ: フランチャイズ方式を採用することで、迅速な出店と地域に密着した運営を両立しています。 - 特徴:
24時間営業: 利便性の高い24時間営業を特徴とし、多様な顧客に対応しています。
近年は、働き方改革からも24時間営業を行わない店舗が出ています。
プライベートブランド: セブン-イレブン独自の商品を開発し、他社との差別化を図っています。
ユニクロ
- 戦略:
SPAモデル: 自社で企画・生産・販売を行うSPAモデルを採用し、高品質・低価格の商品を提供しています。
グローバル展開: 日本だけでなく、世界各国に店舗を展開し、グローバルブランドとしての地位を確立しています。
シンプルで機能的なデザイン: 幅広い年齢層に受け入れられるシンプルで機能的なデザインの商品を展開しています。
オンラインストア: オンラインストアと実店舗を連携させ、オムニチャネル戦略2を推進しています。 - 特徴:
高品質・低価格: 高品質な衣料品を低価格で提供することで、多くの顧客を獲得しています。
シーズンごとのコレクション: 季節ごとに新しいコレクションを発表し、顧客の購買意欲を刺激しています。
マクドナルド
- 戦略:
標準化: 世界中で統一された商品とサービスを提供し、ブランドイメージを確立。
新商品開発: 定期的に新商品を開発し、顧客の飽きを防止。
ドライブスルー: 車に乗ったまま注文できるドライブスルーを導入し、利便性を向上。
デジタル化: モバイルオーダーやデリバリーサービスなど、デジタル化を積極的に推進。 - 特徴:
スピード感: 短時間で食事を提供し、忙しい現代人のニーズに応えています。
子供向けメニュー: 子供向けのメニューを豊富に用意し、ファミリー層の顧客を獲得しています。
これらの企業の共通点
- 顧客ニーズへの対応: 顧客のニーズを的確に捉え、商品やサービスを開発。
- 効率化: 物流システムの効率化など、コスト削減に力を入れる。
- ブランドイメージの確立: 強固なブランドイメージを構築し、顧客のロイヤルティを高める。
まとめ
ナショナルチェーンは、それぞれが独自の戦略で成功をしています。
これらの企業に共通なことは、顧客へのニーズに対応し、効率をあげることで生産性を高くし、ブランドイメージを確立しています。
これらの企業の事例は、小売業における成功のヒントとなるでしょうか。
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